1. 年齢階級別退院患者数
  2. 診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  3. 初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数
  4. 成人市中肺炎の重症度別患者数等
  5. 脳梗塞の患者数等
  6. 診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)
  7. その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)
年齢階級別退院患者数ファイルをダウンロード
年齢区分 0~ 10~ 20~ 30~ 40~ 50~ 60~ 70~ 80~ 90~
患者数 221 119 420 740 1149 1157 1044 1350 823 240
令和4年度に当院を退院された患者さんの平均年齢は52.7歳でした。患者さんの平均年齢は、令和元年度55.8歳、令和2年度55.1歳,令和3年度52.4歳と僅かながらも年々下がっている傾向になっております。
また、年齢区分別でみても、前年度は70歳代の患者さんが1,286名と最も多く占めておまりしたが、令和4年度においても70歳代の患者さんが1,350名と最も多く占め、患者さんの高齢化がみられます。
当院の患者さんの特徴としては、40歳代から70歳代の患者さんが多く入院されており、特に女性の患者さんの割合が多くなっております。その理由として、外科(乳腺外科)や産科・婦人科の患者さんが当院で多く入院されていることが大きな理由です。産科における帝王切開分娩をはじめ婦人系疾患、乳房疾患の診療科を受診される患者さんはおおよそこの年代の方から多くなるため、入院患者さんの年齢層はこのように特徴的な構成がみられます。なお、男女比では約3:7と女性の患者さんが多く入院されています。
女性の患者さんが多いことから、当院ではⅠ号館の6階以上を女性専用病棟としております。入院される診療科によっては、女性専用病棟をご利用できない場合もございますのであらかじめご了解ください。
これから地域の皆さんを支える医療を行なっていくために回復期リハビリテーション病棟や地域包括ケア病棟を開設しております。急性期病棟も当然ございますので、ご高齢の患者さんに対しても急性期から回復期までの必要な医療を提供する環境が整っております。
当院は、今後迎える高齢化社会においても、どのライフステージにも提供できる医療をもって、地域の皆さんの生活の質(QOL)を維持していこうと考えております。
診断群分類別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060100xx01xxxx 小腸大腸良性腫瘍 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 61 3.70 0.0% 64.43
040081xx99x0xx 誤嚥性肺炎 手術等なし 60 19.39 0.1% 83.73
060380xxxxx0xx ウイルス性腸炎 手術等なし 48 3.98 0.0% 40.48
060100xx99xxxx 小腸大腸の良性疾患(良性腫瘍を含む。) 手術なし 43 1.86 0.0% 78.67
110310xx99xxxx 腎臓又は尿路の感染症 手術等なし 41 12.08 0.0% 77.54
当科の特徴は、消化器内科、高血圧、糖尿病などの生活習慣病、透析患者を含む腎疾患を中心に診療を行っております。また複合的な疾患を抱えた高齢者の肺炎などを中心とした感染症の治療も行っており、入院患者の多くを占めております。その他腹痛、下痢、発熱などの症状で緊急入院となる方も多く、若年者から高齢者まで幅広く対応しております。
 平成28年4月より維持透析を開始後、透析患者の感染症等による入院や、保存期腎不全患者の入院も増加しております。
循環器内科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030250xx991xxx 睡眠時無呼吸 無呼吸検査あり 41 2.0 0.0% 52.9
050050xx9910x0 狭心症、慢性虚血性心疾患_心臓カテーテル検査等あり 16 3.06 0.0% 71.6
050130xx9900x0 心不全_手術等なし 16 27.42 6.3% 87.8
050050xx0200xx 狭心症、慢性虚血性心疾患-経皮的冠動脈ステント留置術等あり 13 4.15 0.0% 72.2
050210xx97000x 徐脈性不整脈_ペースメーカー移植、交換術あり 8 8.63 0.0% 75.6
現在日本人の二大死因は、悪性新生物(いわゆる癌)、動脈硬化性疾患(心臓病、脳卒中など)で、それぞれ、約30%を占めています。動脈硬化性疾患は、高血圧、肥満などの生活習慣病に起因することが多く、当院循環器内科では、これら生活習慣病の早期発見、治療により生死に関わる心臓病を予防すると同時に、ひとたび発症してしまった狭心症、心筋梗塞、さらには、不整脈疾患に対しては、カテーテル治療、ペースメーカー植え込みなどの先進的な治療を行っています。当科入院患者数で上位をしめるものは、狭心症に対する診断カテーテル患者、カテーテル治療患者、心不全治療のための入院、徐脈性不整脈に対するペースメーカー植え込み患者などです。冠動脈疾患のカテーテル検査は3日間、ステント植え込みなどの治療は4日間、不整脈疾患に対するペースメーカー植え込みは一週間弱の入院期間で行っております。
 また、最近社会的にも話題となっている夜間の睡眠時無呼吸症候群も、心臓病と密接に関係しているため、一泊入院で検査を行い、外来で持続陽圧呼吸療法を行うなど、積極的に取り組んでおります。
小児科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
140010x199x0xx 出生時体重2500g以上の新生児入院_手術等なし 185 7.81 0.0% 0
140010x299x0xx 出生時体重1500g以上2500g未満の新生児入院_手術等なし 25 10.80 0.0% 0
140010x299x2xx 出生時体重1500g以上2500g未満の新生児入院_シナジス®投与あり 19 26.21 0.0% 0
040090xxxxxxxx 急性気管支炎、急性細気管支炎、その他の下気道感染症 13 5.23 0.0% 0.23
150070x1xx01xx 川崎病、2歳未満、手術なし_献血ベニロン-I投与あり - - - -
当院母子センターは年間出産件数が約1,000例と多く、母乳育児を支援し、WHOから赤ちゃんにやさしい病院(baby friendly hospital:BFH)の認定を受けています。
 小児科は、平成19年7月から小児新生児科と小児科に役割を分け、出産前から産科と協働し、新生児管理を小児新生児科が行い、赤ちゃんの後遺症無き生存(intact survival)を目指しています。出産件数の約3割の新生児を小児新生児科で治療しており、新生児黄疸や適応障害の児が多く、近年出産件数の増加、及び高齢出産件数の増加に伴い、早産児・低出生体重児の割合が増加傾向にあります。
 小児科は、当院出生の新生児、乳幼児の呼吸器・消化器感染症など急性疾患を中心に診療しています。気管支炎、肺炎などの入院に際しては急性呼吸器疾患パスを使用し、平均在院日数は4~5日ですが、3ケ月未満、特に1ヶ月未満のRSウイルス細気管支炎・肺炎の児は、気道閉塞や低酸素血症、無気肺を起こすリスクが高く、平均在院日数が7日~10日に延びています。
 小児科専門外来は小児心臓外来、発育発達外来を設けており、先天性心疾患児のフォロー、川崎病児の入院治療・外来フォロ-や早産・低出生体重児のフォロー、抗RSウイルス薬予防注射(シナジス®)(7月〜翌年3月)、SGA低身長症児の成長ホルモン治療を行っています。
整形外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
070010xx010xxx 脊椎脊髄を除く骨軟部の良性腫瘍_四肢・躯幹軟部腫瘍摘出術などの手術あり 58 6.73 0.0% 56.9
160800xx01xxxx 股関節・大たい近位の骨折_人工骨頭挿入術あり 53 34.57 0.0% 81.1
070085xx97xx0x 変形性足関節症などの滑膜炎、腱鞘炎、軟骨などの炎症に対する関節固定術などの手術あり 47 12.86 0.0% 43.6
070370xx99xxxx 脊椎骨粗しょう症 手術なし 47 21.19 4.3% 82.4
070041xx01x00x 脊髄を除く軟部の悪性腫瘍_四肢・躯幹軟部悪性腫瘍手術などの手術あり 40 9.1 0.0% 60.9
脊椎・脊髄を除く良性・悪性の骨軟部腫瘍の手術を積極的に行っており、クリティカルパスも完備していて患者さんに一貫した説明、治療、支援を行えるよう努めています。腫瘍は身体のあらゆる部位に発生しうるのですが、当科のように多くの患者さんの診療を行っていると同じような部位、疾患の患者さんがいらっしゃるためその経験をいかして治療を行うことができます。
 当科ではまた、スポーツ障害に起因した腱鞘炎、軟骨損傷などや外反母趾をはじめとして足趾の変形に対する手術も多く手掛けています。この分野は近年進歩が著しく、最新の治療法を取り入れたり、また自分たちで考えた治療法を学会などで発表して全国の専門医と情報交換を行っています。
 最新の腰椎・大腿部の骨密度測定器を導入しましたので、今後は骨粗鬆症の検査、治療にも一層力を入れていきます。
形成外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx05xxxx 乳房の悪性腫瘍_人工乳房を用いた乳房再建術あり 39 6.13 0.0% 52.5
090010xx04xxxx 乳房の悪性腫瘍_組織拡張器による乳房再建手術などの手術あり 14 7.0 0.0% 50.6
070520xx97xxxx 上下肢リンパ浮腫_リンパ管吻合術あり 12 14.33 0.08% 53.8
090010xx97x0xx 乳房の悪性腫瘍_自家遊離複合組織移植術などの手術あり 11 12.55 0.0% 54.3
090010xx03xxxx 乳房の悪性腫瘍_乳房切除後の動脈(皮)弁及び筋(皮)弁を用いた二次的に行う乳房再建術あり 10 13.6 0.0% 49.3
当院形成外科の最大の特徴は、乳腺治療・再建センターとして外科と共同し、患者さんの治療に取り組んでいることです。組織拡張器を用いた人工乳房(シリコンインプラント)や、下腹部、または背部の自家組織による乳房再建手術がもっとも多く、当科における専門分野となっています。また、 上記の術式名では明らかになりませんが、当院では遊離腹部穿通枝皮弁や、遊離浅下腹壁動脈皮弁という改良された手術法で再建を行っています。これらは筋肉を全く採取しないため、、身体の負担や合併症が少なく、回復も早いとされています。このほか、自由診療とはなりますが、脂肪注入による乳房再建術や乳頭乳輪再建術など、年間200件を超える乳房再建関連手術を行っています。また、乳房再建関連手術以外では、リンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合術や、内シャント造設術の症例数が増加し、顕微鏡手術に特化していることも特徴となっています。
産婦人科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
120060xx02xxxx 子宮の良性腫瘍_腹腔鏡下腟式子宮筋腫摘出(核出)術など手術あり 191 8.24 0.0% 43.7
120180xx01xxxx 胎児及び胎児付属物の異常_帝王切開術など手術あり 124 9.48 0.0% 34.6
120070xx02xxxx 卵巣の良性腫瘍_腹腔鏡下子宮附属器腫瘍摘出術あり 119 7.8 0.0% 43.8
120260xx01xxxx 分娩の異常による緊急帝王切開術あり 81 10.1 1.23% 33.4
120100xx02xxxx 子宮内膜症_腹腔鏡下子宮内膜症病巣除去術など手術あり 80 8.2 0.0% 39.0
1番目及び3番目に多いのは子宮筋腫、腺筋症といった「子宮の良性腫瘍」及び「卵巣、卵管の良性腫瘍」に手術を行った症例数です。また、近年若年女性中心に増加傾向のある子宮内膜症の患者さんに腹腔鏡下手術を行った症例数も5番目に多くなっております。これらの症例に対して施行した腹腔鏡、子宮鏡手術が約400例前後ありました。当院では病状、背景、希望等を考慮し患者さんにとって最適な方法を選択しておりますが、腹腔鏡を用いた手術は平均在院日数も8日と開腹手術の場合の13日と比べて短い入院期間で帰宅することが可能となっております。この他子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌といった悪性疾患に対する手術、治療も積極的に取り組んでいます。2番目に患者数の多い「胎児及び胎児付属物の異常_帝王切開術など手術あり」は胎児の逆子など自然分娩での分娩が困難な場合に帝王切開による分娩を行う患者さんなどが該当します。当院の令和4年度の分娩数は約1000件前後と多く、必然的に自然分娩が不可能な症例も増え帝王切開が上位にランクされています。上記件数は選択的帝王切開の件数であり、分娩途中に緊急に帝王切開に切り替わった症例は他に81例ほど存在します。
眼科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
020110xx97xxx0 白内障、水晶体疾患_片眼手術あり 340 2.24 0.0% 75.7
020200xx9710xx 黄斑、後極変性_手術あり 水晶体再建術同時手術あり 136 4.99 0.0% 69.7
020210xx01x0xx 増殖性硝子体網膜症_手術あり 19 4.79 0.0% 69.6
020200xx9700xx 黄斑、後極変性_手術あり 水晶体再建術同時手術なし 12 5.0 0.0% 73.8
020280xx97xxxx 乾性角結膜炎_涙小管形成手術あり - - - -
当科で行っている網膜硝子体手術は、黄斑前膜を主な対象疾患としており、東北大学病院眼科と密接な医療連携を遂行し実施しています。硝子体手術では、低侵襲な小切開手術を行っており、短期間入院、早期の社会復帰が可能となっております。また、常に涙が出てきたり、ドライアイ症状が悪化する原因となる結膜弛緩症や、視機能に影響が及んできた初発翼状片に対する、結膜手術もそれぞれ1泊の短期入院で行っております。
耳鼻いんこう科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
030350xxxxxxxx 慢性副鼻腔炎 224 8.11 0.0% 52.9
030320xxxxxxxx 鼻中隔弯曲症 38 7.21 0.0% 38.1
030230xxxxxxxx 扁桃、アデノイドの慢性疾患 32 8.56 0.0% 22.4
030390xx99xxxx 顔面神経障害_手術などなし 23 9.0 0.0% 57.3
030340xxxxxxxx アレルギー性鼻炎 20 7.25 0.0% 38.8
当院は鼻副鼻腔疾患で手術が必要な方、急性扁桃炎などの急性炎症疾患で入院治療が必要な方などを中心に、入院診療を行っております。特に、慢性副鼻腔炎の患者さんが224名と多く、ほとんどの方が手術目的に入院されております。患者さんの年齢は、40歳代から60歳代の方が多いですが、10歳代から80歳代の方までと幅広い年齢層の方が手術を受けられております。
 
泌尿器科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
110070xx99x20x 膀胱腫瘍_化学療法あり_手術なし 87 2.18 0.0% 70.7
110070xx03x20x 膀胱腫瘍_経尿道的手術などあり_入院中化学療法あり 29 4.21 0.0% 72.8
110080xx991xxx 前立腺の悪性腫瘍_前立腺針生検検査あり 20 2.0 0.0% 72.6
110420xx02xxxx 尿管狭窄を伴う水腎症等_経尿道的尿管ステント留置術などの手術あり 16 2.88 0.0% 59.8
11012xxx97xx0x 尿管結石性閉塞を伴う水腎症_経尿道的尿管ステント留置術などの手術あり - - - -
令和4年度はDPCコードと呼ばれる疾病等の種類で23種類を取り扱いました。
 一番患者さんの数が多い「膀胱腫瘍_化学療法あり_手術なし」は、高悪性度の膀胱がんに対する再発予防目的のBCG膀胱内注入療法です。導入療法は週1x6回、維持療法は週1x3回を半年毎に3クール、1泊入院のクリニカルパスで行っています。平均年齢72歳と高齢患者が多いですが1泊入院にて安全に施行出来ています。
 二番目に多いのは、表在性膀胱がんに対する内視鏡手術です。術後の浮遊がん細胞による再発を予防する目的で、手術翌日の抗がん剤膀胱注入療法を採用しています。こちらは、4日入院のクリニカルパスで運用しています。三番目に多いのは、前立腺がんの診断に必須の検査である、前立腺針生検です。当科では針生検の適応に関して血液検査(PSA)の結果だけではなくMRIによる画像検査も併用し、不要な生検の回避とがん検出率の向上に努めています。一般的にグレーゾーンにおける前立腺生検のがん陽性率は35%程度とされていますが、当科では陽性率70%以上です。四番目は、尿管結石の嵌頓に伴う急性腎盂腎炎や他科疾患による尿管狭窄に対する尿管ステント留置術です。こちらは3日入院のクリニカルパスで運用しています。五番目は、腎尿管結石に対する経尿道的結石破砕手術の入院です。基本的には5日入院のクリニカルパスで運用しています。
 今回の公開データでは上位5位以内に入りませんでしたが、当院では骨盤臓器脱(膀胱瘤、子宮脱)の手術にも力を入れています。東北地方では骨盤臓器脱の治療が可能な施設が少ないため、当科では今後ますます充実させていく予定です。
消化器外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
060160x001xxx 15歳以上の鼠径ヘルニア ヘルニア手術あり 61 5.61 0.0% 69.8
060150xx03xxxx 虫垂炎に対する腹腔鏡下虫垂切除術あり 49 6.08 0.0% 34.9
060335xx02000x 胆のう炎、胆のうポリープなどに対する腹腔鏡下胆のう摘出術等 48 8.8 0.0% 62.0
060190xx99x0xx 虚血性腸炎 手術なし 22 8.55 4.5% 55.6
060210xx9700xx 腸閉塞 腸管癒着症手術などの手術あり 22 17.19 0.0% 71.1
令和4年度、消化器一般外科で扱ったDPCコードは149種類でした。

 そのトップ5は表示した通りで、消化器疾患が多くを占めますが甲状腺疾患に対する治療も例年通り行なわれています。

 近年の当科は、消化器外科領域手術の低侵襲化と効率化に取り組んでおります。
 具体的には、腹腔鏡手術の適応拡大と定型化を進めること、治療の知見と技術を常に刷新することで、特に悪性腫瘍の治療効率を改善することです。
 腹腔鏡手術の更なる推進を図るべく平成30年7月1日に腹腔鏡手術センターを立ち上げました。井上消化器外科部長をセンター長として精力的に活動してまいります。

 今後も地域医療の一翼を担う消化器外科・一般外科として、住民の皆様のお役に立てますようスタッフ一同真摯に取り組んでまいります。
乳腺外科
DPCコード DPC名称 患者数 平均
在院日数
(自院)
平均
在院日数
(全国)
転院率 平均年齢 患者用パス
090010xx99x40x 乳房の悪性腫瘍_化学療法あり(FEC療法など)_手術なし 549 2.13 0.0% 55.4
090010xx99x80x 乳房の悪性腫瘍_化学療法あり(パージェタ点滴静注420㎎/14mL)_手術なし 368 1.83 0.0% 58.4
090010xx010xxx 乳房の悪性腫瘍_リンパ節郭清を伴わない乳房切除術などの手術あり_化学療法なし 233 12.0 0.0% 58.7
090010xx02xxxx 乳房の悪性腫瘍-腋窩部郭清を伴わない乳房部分切除術あり 171 9.21 0.0% 57.8
090010xx99x7xx 乳房の悪性腫瘍_化学療法あり(アバスチン)_手術なし 135 1.76 0.0% 58.1
乳腺外科は年間400名近くの方に乳癌の手術を実施しております。DPCコード上位5つ中3つには化学療法が入っています。これは,手術前や手術後に再発予防として行う化学療法(抗がん剤治療やハーセプチン/パージェタ投与)と、再発してしまった方への化学療法(抗がん剤治療)を入院で行ったものです。再発予防の抗がん剤治療は、一人の患者さんに8回,ハーセプチン/パージェタ治療は同じく18回行うのが標準的です。また再発後の抗がん剤治療は治療効果がある限り続けられます。1年間の延べ入院回数が表の症例数となっているため,手術件数をはるかに上回る数字になっています。
初発の5大癌のUICC病期分類別並びに再発患者数ファイルをダウンロード
初発 再発 病期分類
基準(※)
版数
Stage I Stage II Stage III Stage IV 不明
胃癌 1 第8版
大腸癌 16 20 19 36 2 第9版
乳癌 571 624 139 61 11 550 1 第8版
肺癌 1 第8版
肝癌 10 2 第6版
※ 1:UICC TNM分類,2:癌取扱い規約
※ 症例数が10件以下の場合「-」で表示しております。
● 日本で患者数の多い5つの癌を病期(Stage)別に集計したものです。
● 病期(Stage)とはがんの進み具合を表すもので、以下の3つの項目により決定します。
 1.がんの大きさや進展度がどの程度か
 2.リンパ節転移があるか
 3.他の臓器への転移があるか
● 患者数は延患者数を集計したものです。
  ⇒ 一連の治療期間に入退院を繰り返すなどを行った場合は、同一患者に入退院を繰り返した回数分をかけた延患者としています。

【解説文】
初発5大癌分類別並びに再発患者数は、令和4年度中に東北公済病院を退院した患者さんを現在日本で最も罹患率の高い5つのがん(胃がん・大腸がん・乳がん・肺がん・肝がん)の病期(ステージ)ごとの症例数を集計したものです。がんの症例数を調べることで、その病院がどの程度がん治療に積極的に治療をしているかを知ることができます。また病期分類別にみることで、その病院の診療の幅広さを知ることができます。
当院の初発の5大癌の合計(再発除く)は胃癌20件、大腸癌100件、乳癌1,406件、肺癌10件未満、肝癌10件未満となっており、乳癌の件数が最も多くなっています。
東北公済病院は、「地域がん登録病院」として、幅広いがんを積極的に診療しており、外科的手術、内視鏡による手術、化学療法等を行っており、また、がん性疼痛緩和指導・がん患者指導・がん患者リハビリテーション等多くの施設基準を有しており、どの癌においても幅広いStageの患者を診る事ができます。また、再発となった患者の診療も行っています。
成人市中肺炎の重症度別患者数等ファイルをダウンロード
患者数 平均
在院日数
平均年齢
軽症
中等症 13 23.0 79.2
重症 13.0 93.5
超重症 18.0 87.0
不明
※ 患者数が10件以下の場合「-」で表示しております。
● 市中肺炎とは日常生活を送っている人が、病院・診療所以外の場所で感染し、発病した肺炎のことです。高齢者では症状がはっきりしない場合もあり、できるだけ早期に適切な抗菌薬を適切な量と期間で投与する必要があります。
● 市中肺炎の重症度は以下のA-DROPシステムによりいくつの項目が当てはまるかで判定します。
  1.男性70歳以上、女性75歳以上
  2.BUN(尿素窒素)21mg/dl以上または脱水あり
  3.SpO2(血中酸素飽和度)90%以下
  4.意識障害(肺炎による)
  5.収縮期血圧90mmHg以下
● 最も医療資源を投入した傷病名が肺炎、気管支炎・急性細気管支炎で、さらにその中でもICD10コードがJ13~J18で始まるものに限定しています。
● インフルエンザ等、ウイルス性肺炎、誤嚥性肺炎も除外しています。

【解説文】
成人市中肺炎の重症度別患者数等は、令和4年度中に東北公済病院を退院した患者さんより、成人(20歳以上)の肺炎患者さんについて重症度別に患者数、平均在院日数、平均年齢を集計したものです。 表記の補足としまして、市中肺炎とは普段の生活の中で罹患した肺炎を言います。また、重症度0は軽症を表し重症度5は超重症と5段階表示しております。なお超重症の場合は特に集中的な治療を要します。
肺炎で入院するのは、高齢者が多くなっていますが、年齢が上がるほど重症度が高くなる傾向にあります。肺炎は罹患率が高い上、死亡率も高く、悪性新生物、⼼疾患についで国⺠の死亡原因の上位に位置する疾患です。肺炎の診療には、総合的な対応が求められるため、多職種によるチーム医療が必要な疾患のひとつと言えます。
脳梗塞の患者数等ファイルをダウンロード
発症日から 患者数 平均在院日数 平均年齢 転院率
3日以内 32.25 84.0 0.0%
その他 2.0 31.0 0.0%
※患者数が10件以下の場合「-」で表示しております。
● 脳梗塞とは脳の血管が詰まることにより、脳組織が壊死してしまう病気で、脳卒中死亡の約25%を占めています。
● 表にある傷病名は脳梗塞を病型別に分類したものです。
● 最も医療資源を投入した傷病名が上記のICD-10コードの患者数を、発症日から3日以内とそれ以外とで分けて記載しています。
● 1入院を1件としてカウントしています。

【解説文】
東北公済病院では、診療所からの紹介と救急で搬送される患者さんも多く受け入れています。脳梗塞に対して薬物療法ならびに、早期リハビリテーションを中心に診療を行っています。特にリハビリテーション科では診療の充実を図り施設基準(Ⅰ)※を有しています。また、後遺症等の残存により自宅への退院が困難となる場合も、地域包括ケア病棟・医療療養型病棟への転棟により長期間の治療にも対応しています。
また、地域のリハビリ病院やクリニック、診療所、介護施設等と協力して脳卒中を発症した患者がスムーズに自立し、なるべく早く自宅に帰ることができるよう 連携をとっています。そのため転院率が高くなっています。
脳梗塞のICD10別患者数等は、令和4年度中に東北公済病院を退院した患者さんより脳梗塞の病型別の患者さんについて、患者数、平均在院日数、平均年齢、転院率を集計したものです。 脳血管疾患も死亡原因の上位に位置する疾患です。脳梗塞は早期に治療を行うことが効果的とされています。救急で搬送される患者さんも多く、受け入れには救急体制の確保が必要となります。

※ 各種リハビリテーションの施設基準はⅠ・Ⅱ・Ⅲの基準が有りⅠが最も高い基準となります。東北公済病院では、脳血管疾患等リハビリテーションの基準を始め運動器・呼吸器・廃用症候群と全てⅠ基準を取得しています。
診療科別主要手術別患者数等(診療科別患者数上位5位まで)ファイルをダウンロード
内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K7211 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術 長径2cm未満 156 0.1 2.33 0.0% 66.54
K7212 内視鏡的大腸ポリープ・粘膜切除術_長径2㎝以上 20 0.1 3.60 0.0% 64.00
K664 胃ろう造設術 13 15.31 15.85 0.2% 81.38
K6152 血管塞栓術_選択的動脈化学塞栓術 - - - - -
K654 内視鏡的消化管止血術 - - - - -
当科で行う手術として最も多い疾患は大腸ポリープに対する内視鏡治療です。通常は粘膜切除術を行っておりますが、最近は大型のポリープに対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の件数も増えつつあります。
 その他、高齢者の総胆管結石に対する内視鏡治療(ESTなど)も増加しつつあります。
循環器内科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K5493 経皮的冠動脈ステント留置術 その他のもの 12 1 2.08 0.0% 70.9
K597-2 ペースメーカー交換術 7 1.86 5.71 0.0% 75.6
K5972 経静脈電極によるペースメーカー移植術 3 18.67 10.0 0.0% 84.0
K616 下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管拡張術 3 1.0 1.67 0.0% 64.3
K616-41 透析シャント機能低下等による経皮的シャント拡張術 3 1.0 0.33 0.0% 68.3
循環器領域で頻度の高い疾患といえば、まず第一に狭心症、心筋梗塞等の虚血性心疾患が挙げられます。これらの病気は、心臓の周りの冠動脈という血管が動脈硬化により狭くなり、血流が減少し、心臓が酸欠に陥り苦しくなる、という病気です。当院では、これに対して、腕や足の血管からカテーテルという長い管で心臓にアプローチし、バルーンで拡張したり、ステントという金網を植え込んで、血流を確保する治療を行なっております。局所麻酔で行える手術で、入院期間も4日間と短く、最近では多くの狭心症がこの治療で根治できる様になりました。心筋梗塞など一刻も争う様な救急症例に対しても、緊急カテーテル検査・治療を行なっております。
 また、突然心臓が止まって失神してしまう、洞不全症候群、高度房室ブロックに対しては、ペースメーカー植え込み手術を施行しております。
 心臓病は近年の技術、道具の進歩により、体への侵襲が少ない手術を内科領域でできる様になり、当院でもこの様な治療に積極的に取り組んでいます。
小児科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K9131 仮死第1度の新生児仮死蘇生術 - - - - -
K288 副耳切除術 - - - - -
K300 鼓膜切開術 - - - - -
K9132 仮死第2度の新生児仮死蘇生術 - - - - -
原因を問わず産まれて直ぐに起こる呼吸循環不全を新生児仮死と呼びます。産まれた赤ちゃんの皮膚の色などから状態に応じて仮死第1度とより重症な仮死第2度に分類されます。
 当院の分娩件数に比べて新生児仮死蘇生術の件数は少なく、双方合わせても年間10件未満となりますが、残念ながら赤ちゃんは一定の確率で新生児仮死の状態で産まれてきます。赤ちゃんの症状に応じて小児新生児科担当医が適切な処置を行ないますが、重症な場合は総合周産期母子医療センター等(仙台赤十字病院、東北大学病院、県立こども病院)に転院し治療を継続いただく場合もあります。
整形外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0301 肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹における軟部良性腫瘍手術 63 1.0 5.35 0.0% 57.87
K0821 肩、股、膝に対する人工関節置換術  42 1.26 19.33 0.0% 75.57
K0311 肩、上腕、前腕、大腿、下腿、躯幹における軟部悪性腫瘍手術 41 1.0 7.78 0.0% 60.39
K0732 手、足に対する関節内骨折観血的手術 33 3.33 16.58 0.0% 66.52
K0461 肩甲骨、上腕、大腿に対する骨折観血的手術 31 3.58 29.19 0.0% 82.26
四肢・体幹の軟部腫瘍の手術件数は良性悪性とも全国でも常に上位です。特に手術で根治することの出来る高分化型の脂肪肉腫を多数手掛けています。一貫した説明、治療が行えるように整形外科内でのチームワークを大切に毎朝カンファレンスを開いています。更に画像診断・病理診断も整形外科疾患に精通した医師が行っており診断の精度も高いです。
 当科ではまた足部疾患の手術件数も多く、なかでも外反母趾、関節鏡手術に力を入れており手術件数も近年増加しています。外反母趾は先ずは保存治療を行い改善の得られない患者さんに対して手術治療を勧めています。保存療法、手術治療も選択肢は多いです。変形の状態、患者さんの年齢など様々な要素を検討し個々の患者さんにあった治療が行えるよう努めてます。関節鏡は低侵襲での治療が可能となっており、早期のスポーツ、就労復帰に貢献しています。プロ、アマを問わず多くのスポーツ選手が受診しております。足の変形、スポーツ傷害・外傷はライフスタイルの変化によって急増しており、今後更に手術件数が増加していくことが予想されます。
形成外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K476-4 乳房切除後の人工乳房を用いた乳房再建術 39 1.0 4.13 0.0% 52.5
K0221 乳房切除後の組織拡張器を用いた乳房再建手術  14 1.0 5.0 0.0% 50.6
K628 リンパ管吻合術 12 4.17 9.17 0.08% 53.8
K476-32 乳房切除後の動脈(皮)弁等を用いた二次的に行う乳房再建術 10 1.0 11.6 0.0% 49.3
K0171 乳房切除後の動脈(皮)弁等を用いた二次的に行う乳房再建術 - - - - -
当院形成外科の最大の特徴は、乳腺治療・再建センターとして外科と共同し、患者さんの治療に取り組んでいることです。組織拡張器を用いた人工乳房(シリコンインプラント)や、下腹部、または背部の自家組織による乳房再建手術がもっとも多く、当科における専門分野となっています。上記の術式名では「乳房再建術」としてひとまとめになっているため明らかになりませんが、当院では遊離腹部穿通枝皮弁や、遊離浅下腹壁動脈皮弁という改良された手術法で再建を行っています。これらは筋肉を全く採取しないため、身体の負担や合併症が少なく、回復も早いとされています。このほか、脂肪注入による乳房再建術や乳頭乳輪再建術など、年間200件を超える乳房再建関連手術を行っています。最近は、リンパ浮腫に対するリンパ管静脈吻合術や、内シャント造設術の症例数が増加し、顕微鏡手術に特化していることも当科の特徴となっています。
産婦人科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8981 緊急での帝王切開術 159 2.07 7.71 1.9% 33.6
K877-2 腹腔鏡での腟式子宮全摘術 142 2.25 6.13 0.0% 46.6
K8882 腹腔鏡での子宮附属器腫瘍摘出術 122 1.86 5.02 0.0% 43.7
K8982 予定での帝王切開術 115 1.43 7.11 0.0% 34.5
K863 腹腔鏡下での子宮内膜症病巣除去術 70 1.96 5.19 0.0% 38.3
1番手術数の多い「緊急での帝王切開術」は自然分娩の途中に緊急に帝王切開に切り替わった症例で159例あります。4番目に手術数の多い「予定での帝王切開術」は胎児の逆子など自然分娩での分娩が困難な場合に帝王切開による分娩を行う患者さんなどが該当します。当院の分娩数は約1000件と多く、必然的に自然分娩が不可能な症例も増え帝王切開が上位にランクされています。上記件数は選択的帝王切開の件数であり、分娩途中に緊急に帝王切開に切り替わった症例は四番目に多く87例存在します。二番目及び三番目に多いのは子宮附属器(卵巣、卵管)腫瘍、子宮筋腫、腺筋症といった「子宮、卵巣、卵管の良性腫瘍」(一部悪性腫瘍)に手術を行った症例数で、腹腔鏡を用いた子宮附属器腫瘍摘出術が122例、子宮全摘術が142例でした。また、開腹による子宮全摘術は84例でした。当院では病状、背景、希望等を考慮し患者さんにとって最適な方法を選択しておりますが、腹腔鏡を用いた子宮全摘術は平均在院日数8日と開腹による子宮全摘術の場合の11日と比べて短い入院期間で帰宅することが可能となっております。この他子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌といった悪性疾患に対する手術、治療も積極的に取り組んでいます。
眼科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K2821ロ 水晶体再建術 眼内レンズを挿入する場合 その他のもの 340 0.04 1.21 0.0% 75.7
K2801 硝子体茎顕微鏡下離断術 網膜付着組織を含むもの 149 0.99 3.01 0.0% 70.2
K281 増殖性硝子体網膜症手術 21 0.95 2.86 0.0% 70.1
K206 涙小管形成手術 - - - - -
K2231 結膜嚢形成手術(部分形成) - - - - --
当科の手術治療で最も多いのは、白内障手術です。全身疾患がある方でも対応できるよう、また一人暮らしの方でも安心できる1泊入院を原則に治療を行っております。人工水晶体としては、最新の単焦点眼内レンズを使用しております。患者さんの病態によっては、乱視矯正が付加された眼内レンズも選択することができます。
耳鼻いんこう科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K340-6 内視鏡下鼻・副鼻腔手術 120 1.01 6.08 0.0% 52.2
K340-5 内視鏡下複数洞鼻・副鼻腔手術 85 1.0 6.24 0.0% 52.5
K347 鼻中隔矯正術 38 1.0 5.21 0.0% 38.1
K3772 口蓋扁桃摘出手術 30 1.0 6.9 0.0% 23.1
K344 経鼻腔的翼突管神経切除術 20 1.4 5.3 0.0% 38.8
内視鏡下複数洞鼻・副鼻腔手術、内視鏡下汎鼻・副鼻腔手術、内視鏡下単洞鼻・副鼻腔手術は、慢性副鼻腔炎に対して内視鏡を用いて行う手術です。4番目の口蓋扁桃摘出手術は、扁桃炎のため咽頭痛や高熱などの症状を繰り返す方や、子供さんに多く見られますが口蓋扁桃が大きいために睡眠時に無呼吸を生じてしまう方などに行う手術です。手術前日に入院し、手術後1週間は入院の上、術後治療を行っております。
リハビリテーション科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K0821 人工関節置換術 肩、股、膝 30 1.1 49.5 0.0% 76.6
K0461 骨折観血的手術 肩甲骨、上腕、大腿 11 3.4 83.3 0.0% 81.8
K0811 人工骨頭挿入術 肩、股 - - - - -
K664 内視鏡下胃ろう造設術 - - - - -
K0731 関節内骨折観血的手術 肩、股、膝、肘 - - - - -
リハビリテーション科で手術は実施いたしません。当院整形外科などで手術実施後にリハビリテーションが必要な患者さんに対して治療を行なっております。一定の条件がありますが、大腿骨頸部などが骨折してしまった際にも、当院であれば手術治療並びにリハビリテーションまで一括して行うことが可能です。
泌尿器科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K8036イ 膀胱悪性腫瘍手術 経尿道的手術 電解質溶液利用のもの 32 1.66 2.13 3.1% 73.3
K783-2 経尿道的尿管ステント留置術 25 0.88 1.68 0.0% 60.0
K7811 経尿道的尿路結石除去術(レーザーによるもの) - - - - -
K7981 膀胱結石摘出術(経尿道的手術) - - - - -
K654 内視鏡的消化管出血術 - - - - -
手術については、表在性膀胱がんに対する経尿道的切除術が最多です。電解質溶液を使用した切れ味の良い切除装置を使用しています。平均年齢73歳と高齢患者が多いですが、4日入院のクリニカルパスで安全に運用できています。二番目は尿管結石の嵌頓に伴う急性腎盂腎炎や他科疾患による尿管狭窄に対する尿管ステント留置術です。こちらは3日入院のクリニカルパスで運用しています。結石破砕手術の成功率を上げるために、事前ステント留置を行って尿管を拡張・直線化することもあります。三番目は腎尿管結石に対する内視鏡的結石破砕手術です。細径の尿管鏡とレーザーファイバーを用いることで、体外衝撃波による結石破砕に比べてより確実な結石除去が可能であり、当科でも力を入れています。5日入院のクリニカルパスで運用しています。四番目は、骨盤臓器脱(膀胱瘤)に対する経腟メッシュ手術です。東北地方では骨盤臓器脱の治療が可能な施設が少ないため、当科では今後ますます充実させていく予定です。五番目は、膀胱結石に対する経尿道的破砕手術です。高度の前立腺肥大症では膀胱内に結石が貯留し、排出されないまま増大します。当科ではレーザーファイバーを用いた結石破砕を行っており、5日入院のクリニカルパスで運用しています。
消化器外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K672-2 腹腔鏡下胆嚢摘出術 67 3.12 6.91 0.0% 62.9
K718-21 虫垂周囲膿瘍を伴わない腹腔鏡下虫垂切除術 49 1.78 3.31 0.0% 34.9
K6335 鼠径ヘルニア手術 33 1.18 4.18 0.0% 71.5
K719-3 腹腔鏡下結腸悪性腫瘍切除術 29 6.9 14.24 0.0% 71.2
K634 腹腔鏡下鼠径ヘルニア手術 28 1.14 2.57 0.0% 67.8
当科の手術件数としては、胆嚢良性疾患に対する腹腔鏡手術が最も多く、虫垂切除術や鼠径ヘルニアの手術などの良性疾患に対する手術が続きまます。これら良性疾患は発生数自体が多く、当科でも例年同様の手術数で推移しています。また甲状腺疾患に対する手術もほぼ例年通りの数が行われています。そしてこうした状況はこれからも変わらず続くものと予想されます。

 一方、当科手術の最近の新たな傾向としては、低侵襲性を重視した腹腔鏡手術が増えていること、また、肝臓・胆道・膵臓の悪性腫瘍手術が増えていることです。

 腹腔鏡手術については、胆嚢結石症や虫垂炎においては無論ですが、胃がん・大腸がんなどの消化管悪性疾患においても既に定型化しており、各種ヘルニア疾患に対しても導入を始めました。いずれも良好な結果が得られています。

 また難度の高い肝臓・胆道・膵臓の悪性腫瘍手術では、手術方針を早急かつ厳密に検討すること、最新の手技と器具を導入することで、合併症低減・治療効率の改善が図られています。

 腹腔鏡手術の更なる推進を図るべく平成30年7月1日に腹腔鏡手術センターを立ち上げました。井上消化器外科部長をセンター長として精力的に活動してまいります。

 当科の取り組みが患者さんのお役に立ちますよう、今後もさらに精進を続けてまいります。
乳腺外科
Kコード 名称 患者数 平均
術前日数
平均
術後日数
転院率 平均年齢 患者用パス
K4762 乳腺悪性腫瘍手術に対する腋窩部郭清を伴わない乳房部分切除術 173 1.04 7.22 0.0% 57.8
K4763 乳腺悪性腫瘍に対する腋窩部郭清を伴わない乳房切除術 171 1.01 9.37 0.0% 59.6
K4765 乳腺悪性腫瘍に対する腋窩部郭清を伴わない乳房切除術 48 1.0 11.83 0.0% 55.8
K4742 長径5㎝以上の乳腺腫瘍摘出術(悪性腫瘍以外) 28 1.0 2.18 0.0% 46.3
K4764 乳腺悪性腫瘍に対する腋窩部郭清を伴う乳房部分切除術 12 1.0 11.67 0.0% 58.7
乳腺外科は年間400名近くの方に乳癌手術を実施しております。当科の特徴は,乳腺治療再建センターとして,形成外科と一体となって乳腺全切除後の乳房再建手術を積極的に行っていることです。乳癌で手術を受ける40%の患者さんには,乳房温存療法といわれる乳腺部分切除とその後の放射線治療を中心とした治療を行っています。また,60%の患者さんには,乳腺を全摘出する乳房切除を行っています。乳房切除を行った患者さんの25〜30%は,乳房切除に連続して乳房の再建手術(失われた乳房のふくらみをつける手術,当院のホームページをご参照ください)を受けられています。腋窩部郭清を伴わない手術とは,その多くはセンチネルリンパ節生検(必要最小限の腋窩リンパ節切除)のみ行い,リンパ節転移がなかったので,それ以上は脇の下のリンパ節切除(腋窩郭清)を行わなかったというものです。腋窩部郭清を伴う手術でも,リンパ節の切除程度は,過去に比べて縮小されており,腋窩リンパ節郭清に伴う手術側の腕のリンパ浮腫(リンパの流れが悪いことにより発生する腕のむくみ)の発生頻度は少なくなっています。リンパ浮腫を生じた場合にも,リンパ浮腫ケアに関する外来を開設し,リンパ浮腫に対する治療を積極的に行っております。
その他(DIC、敗血症、その他の真菌症および手術・術後の合併症の発生率)ファイルをダウンロード
DPC 傷病名 入院契機 症例数 発生率
130100 播種性血管内凝固症候群 同一 0.03%
異なる 14 0.19%
180010 敗血症 同一 0.07%
異なる 0.04%
180035 その他の真菌感染症 同一
異なる 0.03%
180040 手術・処置等の合併症 同一 26 0.36%
異なる 0.03%
※症例数が10件以下の場合「-」で表示しております。
● 医療の質の向上のため、臨床上ゼロにすることは難しいですが、少しでも改善すべきものとして定義される感染症および合併症の発症割合を示しています。
● 入院契機の項目は入院時に診断された傷病名と最終的に診断された傷病名が同一であるかの区分です。
● 免疫力が低下しているときに合併して発症することが多いです。

【解説文】
 入院中は免疫⼒が低下している場合もあり、ウイルス・細菌による発症や新たに合併症を発症する場合が有ります。医療の質を高め深刻な事態を避けるためにも、これらの 発症率を抑える取り組みが求められます。この指標は入院中の感染症や合併症の発生率を示したもので、症例数、発生率ともに減少させることを目的としています。表内に有ります「入院契機」では、入院の原因となった病気がもとで感染症や合併症を発症した場合を「同一病名」、入院の原因とは異なって感染症や合併症を発症した場合を「異なる病名」としています。
 播種性血管内凝固症候群や敗血症等は、DPC請求にて高額な⾦額が設定(入院医療費が高くなる)されているため、臨床的に根拠のある診断でなければ不適切な請求として疑われかねないDPC病名とされています。厚生労働省による国DPC対象病院データ集計では、全症例に対する割合は、術後・処置等の合併症は0.31%でした。全国値と東北公済病院の発生率を比較した場合、良好な水準と考えています。
 術後・処置等の合併症につきまして、DPC病名と入院契機病名が同一である症例となっています。つまり、⼿術・処置などの合併症を主訴として入院され治療を受ける入院患者さんが多いということです。今回は、DPC病名と入院契機病名が異なる(⼿術後に合併症が発生)症例が無く問題有りませんでしたが、術後合併症は一定の確率で起こり得ます。起こり得る合併症につきましては、現在も⾏っていますが事前に可能な限り患者さんに説明したうえで、⼿術や処置の施⾏に同意をいただくよう努めてまいります。 また、東北公済病院では、感染防止対策専従看護師を配置し、選任の複数の医師・看護師・薬剤師・検査技師等の組織を設け、最も高い施設基準を取得しています。
 また、地域の医療連携病院との基幹病院としての役目も務めています。
更新履歴
2023/09/26
病院指標は、DPCデータを基に作成したものであり、歯科・口腔外科、労災・公務災害及び自然分娩による出産等自費でのご入院は、包括評価(DPC)の対象外となるため、当院の歯科口腔外科の指標については掲載しておりません。