がん患者さん交流会

当院では、がん患者さんが安心して療養生活が送れるよう、治療や治療に伴う身体のつらさや気持ちのつらさをサポートするだけではなく、社会生活での困りごとや心配事も、病気・治療の専門家の視点から、支えていきたいと考えています。

社会生活の中でも、『家族』に焦点をあてた取り組みを始めています。がんの親を持つ子どもたちは、病気や治療についてはあまり触れられず、普段と違う親や家族の様子に不安やストレスを感じていると言われています。しかし、子どもの年齢や発達に合わせた心理社会的サポートの提供と病気についての教育は、子どものストレスを緩和します。

がんの親を持つ子どもたちは、親が療養する施設だけではなく、自身のコミュニティ(地域・学校・習い事など)における大人と関わります。患者さんやご家族、医療者だけではなく、子どもの傍にいる大人が、手をつなぎながら、子どもたちを支え、ケアしていくネットワークを作ることを目的に、平成27年7月25日(土)に、がんの親を持つ子どもの支援者交流会を開催しました。

第1回交流会には、がん患者を親に持つ子どもへの支援に関心を持ってくださった、医療従事者や教育・福祉に携わる23名の方々にご参加いただきました。(図1)


第1回がん患者さん交流会参加者の職種内訳

はじめに、NPO法人子どもグリーフサポートステーションの相澤さんから、「グリーフプログラムと遊び」をテーマに、子どものグリーフの反応や遊びを取り入れた子ども支援の方法の講演をいただきました。

その後の交流会は、テーマを「子ども支援の現状と展望」とし、ワールドカフェスタイルで行いました。参加者の方々は、打ち解けた様子で、お互いの職種から捉える子ども支援の問題や障壁と感じている事について話し合い、少しずつでも大人が手をつないで支援をしていく必要性を共通認識するきっかけになったようでした。


  • 講演内容から、子どもの力を信じ、同じ目線でサポートしていく必要があることを改めて感じました。
  • 横のつながりのあり方、方策が見えた会でした。
  • スタッフも親御さんも、他のサポート資源(学校や地域)も、「死」や「がん」に触れることが不安なのだと改めて思いました。一つずつ、つながりを作り、皆で知識や考えを積み重ねていく必要があると思いました。
  • 病院のシステムから整えることで、小さな子どもさんを持つがん患者さんの支援につながるとも思いました。
  • 病院勤務の看護師が感じている、家族支援上の困難について知ることができて大変有意義でした。
  • 世間的にも子どものサポートについての知識を持ち、深めることは大切と感じました。

などなど



まだまだ、はじまったばかりですが、少しずつ子どもも含めたがん患者さんとご家族の支援ができるよう、地域とも手をつなぎながらその方法を考えていきたいと思っております。


次回交流会は11月に開催予定です。がん患者さんからの率直な意見なども聞ければと思っております。ご興味のある方は、ご連絡ください。