部門紹介
臨床工学科は、2004年に当時手術室に所属していた臨床工学技士2名に新卒者1名が加わったことを期に手術室から独立し、2004年7月より診療部の一部門として新たに活動を開始しました(当時の名称は臨床工学室)。2016年4月より名称も臨床工学科と変更になり、現在は9名(男性5名、女性4名)の臨床工学技士が在籍し各種業務を行っています。
臨床工学技士は院内ではCE(Clinical Engineer)と呼ばれており、手術室やHCU、透析センターなど、多くの医療機器が使用される部署を主な活躍の場としています。
補助循環業務
何らかの原因により患者さんの循環動態が低下した場合、強心剤などの薬剤を使用して循環を維持・管理していきます。しかし、薬剤だけでは改善しきれない重篤な循環不全が起こった場合には、大動脈バルーンパンピング(IABP)や補助循環装置を用いた経皮的心肺補助法(PCPS)と呼ばれる強力な循環サポートを行う必要が生じます。これらの補助循環療法が開始された場合には臨床工学技士が中心となり装置のセットアップ、装置の操作、トラブル対応、装置の動作記録を24時間体制で管理にあたっています。
血液浄化業務
2016年4月より、Ⅱ号館(新館)に新たに28床(個室1床含む)の透析センターが開設され、CE7名が人工透析業務を行っています。
業務内容として、透析装置の操作、多人数透析液供給装置・RO装置の管理を主業務とし、患者さんのバイタルサインチェックなども行っています。また、患者さんの透析効率を算出し、医師とのディスカッションを行い、患者さんの状態に応じた血液浄化法を検討するとともに、その治療に使用する透析膜の提案などを行っています。
透析センターでは従来からの血液透析に加えオンラインHDFも行っています。この治療法は、従来からの人工透析に比べ透析液の清浄度管理がとても重要となるため、透析液の汚染が無いよう各種フィルターや消毒液の使用により透析液の清浄化に取り組んでいます。
また、外来で行う人工透析以外の血液浄化療法は透析センターだけではなくHCUにおいても行われており、CHDF(持続的血液ろ過透析)やエンドトキシン吸着、血漿交換療法、DFPP(二重濾過血漿交換療法)などが行われています。




心臓カテーテル、ペースメーカー業務
心臓カテーテル検査では、心電図や心内圧測定を行うポリグラフ、心機能解析装置、体外式ペースメーカーの操作を行っています。また、CE1名が清潔野に入り、IVUS(血管内エコー)の組み立てやPCI(経皮的冠動脈形成術)のインデフレーター操作も担当しています。
ペースメーカー業務では、植え込み手術時にペースメーカーの動作条件を設定するのに必要となる心内電位などの測定を行います。その結果を元に、プログラマーを用いてペースメーカーの動作条件をプログラムしています。また、当院では毎週木曜日の午後に「ペースメーカークリニック」を行っており、ペースメーカーの動作状態を確認すると共に、現在約150名の患者さんのデーター管理を行っています。



医療機器管理業務
現在院内にある機器のうち約2000台の医療機器について、購入年月日、修理履歴などのデーター管理を行っており、これらのデーターを元に機器更新などの検討を行っています。輸液ポンプやシリンジポンプ、深部血栓予防用フットポンプなどは臨床工学科からの貸出し・返却方式を取っており、各部門で使用された医療機器は臨床工学科に返却後CEにより使用後点検が行われます。そこで機器の動作に異常がないことが確認されると、次の貸し出しに備え貸し出した並べられます。
当院の特徴として、母子センターでの分娩件数が多く(年間約900件)、8台ある閉鎖式保育器の使用後点検の依頼も多く、使用後点検だけではなく、保育器チェッカーやシミュレーターを使用した院内での定期点検の施行、故障時の修理対応を含め力を入れて業務にあたっています。
また、医療機器管理部門では内視鏡手術で使用された後の各種手術器械(内視鏡手術用鉗子、電気メスコード、内視鏡カメラ、硬性鏡、ライトガイドその他)の滅菌前の点検も行っており、閉鎖式保育器の点検同様、各種チェッカーを使用し手術器械の安全性を確認しています。



医療ガス管理
病院内で使用される酸素や圧縮空気、窒素などは医療ガスと呼ばれています。院内では、これらの医療ガスは、人工呼吸器や全身麻酔器などで人工呼吸を行うためや、手術用のドリルを駆動させるもの、患者さんの気道などの吸引に使用されており、これらの医療ガスが安定供給されていることが安全な医療を提供できる絶対条件になっています。そのため当院では、日ごろから人工呼吸器や全身麻酔器を管理、操作しているCEがそれら医療ガスの管理を行っています。当院では医療ガス(酸素)の供給にLGC方式を採用しているため、毎朝の医療ガスマニホールド室での供給装置の動作点検、各種医療ガスの残量点検や、圧縮空気用コンプレッサーの切り替え動作点検などを行っています。
手術室業務
手術室では、全身麻酔器、手術台、生体情報モニター、無影灯などの医療機器をCEが毎朝使用前点検を行っており、患者さんに安全な手術が提供できるよう点検業務にあたっています。また、近年増加の一途をたどっている内視鏡下手術に使用する鉗子や超音波凝固切開装置などのエネルギーデバイスで使用するハンドピース、硬性鏡なども使用毎に点検を行い安全確保に努めいています。
臨床では、泌尿器科でのf-TUL(経皮的結石破砕術)施行時のレーザー手術装置の操作や、眼科での硝子体手術装置の清潔野でのセッティング及び操作を担当し、特殊な医療機器を使用する場合などの手術立会いを行っています。




最後に
当院では、2007年4月より配置が義務づけられた「医療機器安全管理責任者」に臨床工学技士が任命されており、他の8名のCEと協力し、医療機器年間保守点検計画の作成や院内研修会の企画なども行い、院内ポータルを利用して医療機器に関わる情報発信も行っています。
以上、臨床工学科の紹介をさせていただきました。我々CEはこれからも「スピーディーかつセーフティー」をモットーに、患者さんにより良い医療を提供できるよう業務に励んでいます。




